MLMでのクーリングオフ対応|正しい理解とやってはいけない事

MLMでのクーリングオフ対応|正しい実践方法とやってはいけない事

Last Updated on 2025年6月23日

この記事でわかること

MLM(ネットワークビジネス)の活動において、法律で定められた「クーリングオフ」の正しい理解と対応のポイントを解説します。

初心者がやってしまいがちな違法リスクのある言動や、信頼を守るために最低限必要な知識を整理しています。

🧾 クーリングオフとは?MLMでなぜ重要なのか

クーリングオフとは、一定期間内であれば消費者が契約を無条件で解除できる制度です。

MLM(マルチ商法)は特定商取引法の「連鎖販売取引」に該当し、契約者は契約書を受け取ってから8日以内であれば理由なく解約できます。

これは消費者を守るための法律であり、企業や販売者が一方的にこれを妨げることは法律違反となります。

MLMではこの制度があることを正しく説明し、相手の不安や不信感を払拭することが信頼につながります。

📄 契約書・概要書面の交付は必須

勧誘時には「概要書面」、契約時には「契約書」を必ず書面で渡す義務があります。

これらの書類には氏名・契約内容・クーリングオフの説明などが記載されており、万が一交付していない場合、クーリングオフ期間は始まりません。

つまり、渡し忘れや内容の不備があると、いつまでもクーリングオフが有効になってしまうのです。

面倒だからと後回しにせず、その場で丁寧に説明しながら渡すことが信頼構築の第一歩です。

🕒 「20日間」のカウントミスに注意

MLMにおけるクーリングオフは、「契約書面を受け取った日」または「商品を受け取った日」のいずれか遅い日を起算日として20日間以内であれば、理由を問わず解約できます。

つまり、たとえ契約書を交付していても、商品がまだ届いていなければ、クーリングオフ期間はスタートしていないのです。

この計算を誤って「20日経ったから無効」などと説明してしまうと、重大なトラブルに発展しかねません。起算日を丁寧に確認・記録し、相手にも伝える習慣が大切です。

🗣 「返品不可」「特別価格」はNGワード

「クーリングオフはできません」「開封したら返品できません」「特別価格なので今日だけです」といった発言はすべて法律違反となる恐れがあります。

とくに、初心者が無意識に使いがちなこれらの言葉は、クーリングオフを妨げたとみなされ、行政指導や処分の対象になり得ます。

制度があることを前提に、「必要であればいつでも相談してください」と誠実に伝えることが、安心感と信頼の提供につながります。

🚫 クーリングオフの妨害は信頼を一瞬で失う

クーリングオフを希望されたときに、「今やめるのはもったいない」「損しますよ」「上の人に迷惑がかかる」といった引き止めを行うのは法律上の妨害行為です。

たとえ悪気がなくても、相手にプレッシャーを与えるような言動はトラブルの元です。誠実な対応とは、「一度冷静に考えてみるのもいいと思います」と受け入れる姿勢を見せること。

目先の売上よりも、相手との長期的な関係を大切にしましょう。

📦 使用後の返品も可能?商品の状態と誤解

「使ったら返品できない」と思っている人は多いですが、クーリングオフ期間内であれば使用済みの商品でも返品は可能です(原則として)。

この誤解を逆手に取るような説明はトラブルを招きます。

特に化粧品やサプリメントなど「開封=使用」とみなされやすい商材の場合、誤認を与えない説明が重要です。

商品説明時に「クーリングオフの対象になる」と事前に伝えることが、不要なクレームを防ぎます。

🤝 法律を守ること=信頼を守ること

MLMでは「商品が良ければ売れる」だけではなく、「信頼される人から買いたい」と思われることが非常に重要です。

法律を正しく理解し、それに基づいた誠実な行動ができる人は、必ず評価されます。

クーリングオフへの対応は、その人のビジネスマナーや人間性が問われる場面です。

万一クレームが入った場合でも、「誠実に対応してくれたから信頼できる」と思ってもらえるような姿勢を心がけましょう。

✅ まとめ|「安心できる人」こそ選ばれる時代

MLMの活動で成功する人は、「契約をとるのがうまい人」ではなく「信頼を得るのがうまい人」です。

クーリングオフ制度をきちんと説明できるだけでなく、相手にとって安心な存在であることが大切です。

「売れたら終わり」ではなく、「売った後が本当のスタート」。

その第一歩として、法律を正しく理解し、誠意ある対応を心がけてみましょう。

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