Last Updated on 2023年12月16日 by admin
ペンギンモバイルやスターサービス(旧クジラモバイル)といった格安携帯電話通信を商材に見せたMLMが登場しています。
これらは一見すると、携帯電話利用料から権利収入を得られるような印象を受けますが、果たしてその実情はどうなっているのでしょうか。
今回はペンギンモバイルとスターサービス(旧クジラモバイル)について掘り下げてみたいと思います。
目次
格安SIMとは
まずはじめに「格安SIM」の仕組みについてお話します。
SIMカードとは、スマートフォンや携帯電話に挿入する通信カードのことで、これらは通常総務省から免許を受けた大手通信回線会社であるキャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の通信網と繋がることで、音声通話やSMS、インターネットへの接続が可能になります。
従来はこのSIMカード(通信回線)と携帯端末(スマートフォン、携帯電話)をセットでキャリアは販売していましたが、2012年にイオンリテール株式会社で株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)のSIMの取り扱いが開始されたことが大きな転機となりました。
端末とセットで契約していたSIMカードのみを、イオン店頭で入手できることが可能になったことは当時画期的でした。
SIMカード(通信回線)と端末を分けることで、割安で通信回線を契約できるようになったのです。
その後、様々な通信会社が大手キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の回線を借り、SIMカードのみの販売を行っていくことになりました。これが格安SIMです。
ペンギンモバイルとは
ペンギンモバイルは、愛知県名古屋市に本拠を持つ一般社団法人 日本自由化事業協会が運営するMLM会社です。
前項で説明したように、ペンギンモバイルもNTTドコモの回線を借りて格安SIMを販売しています。
ペンギンモバイルSIMの月額使用量は、通常のスマートフォンとして利用する場合(音声通話+データ+SMS)「2,480円〜4,860円」となるようです。
スターサービス(旧クジラモバイル)とは
スターサービス(旧クジラモバイル)は、山口県下関市に本拠を持つ一般財団法人 日本IOT協会が運営するMLM会社です。
スターサービス(旧クジラモバイル)は、ソフトバンクまたはNTTドコモの回線を借りて格安SIMを販売しています。
スターサービス(旧クジラモバイル)SIMの月額使用量は、通常のスマートフォンとして利用する場合(音声通話+データ+SMS)「4,860円」となるようです。
ペンギンモバイル・スターサービス(旧クジラモバイル)の報酬プラン(仕組み)
ペンギンモバイルの初期費用と月額費用
ペンギンモバイルでSIMを小売りする権利を得るための資金初期費用は5万円程度となります。
その他に、SIMの月額利用料とは別にシステム利用料として月額3,800円が必要になります。
初期費用(初回のみ)
・スターターキット 32,000円
・システム初期費用 2,000円
毎月費用
・12G or 24G 格安SIM料金 2,480円~4,860円
(代理店はどちらかのSIM契約が必要となります)
・システム利用料 3,800円
ペンギンモバイル 収入の仕組み(報酬プラン(仕組み)
ペンギンモバイルの報酬プラン(仕組み)はバイナリーを基本とし、以下の5つのボーナスがあります。
1.レベルマッチボーナス(1回)
2.レベルマッチボーナス(毎月)
3.タイトルボーナス(毎月)
4:アドバイザー手数料
5:ユーザー継続ボーナス
主たるボーナスは、レベルマッチボーナスとなります。
スターサービス(旧クジラモバイル)の初期費用と月額費用
スターサービス(旧クジラモバイル)にビジネス参加するための初期費用は23,609円となります。
毎月かかる費用はSIM回線料金もふくめ、13,349円となります。
初期費用
スターターキット: 5,500円
正協会費: 7,500円
初回事務手数料: 3,000円
SIM発行手数料: 1,000円
次月利用料: 4,860円
消費税: 1,749円
合計: 23,609円
継続費用
正協会費: 7,500円
次月利用料: 4,860円
消費税: 989円
合計: 13,349円
準協会員(定額サービスをユーザーとして利用するだけ)と正協会員(ビジネスとしても利用できる)が存在します。
準協会員は、月額料金のみ(モバイルサービスは初回契約時のみ事務手数料3,000円別途必要)で継続的に利用できます。
正協会員は、準協会員の機能+スターサービス(旧クジラモバイル)の正規代理店になりビジネスが可能でネットワークビジネス(MLM)(MLM)の報酬を得ることが可能です。
ただし正協会員は、準協会員費+正協会員費(毎月7,500円)が月々の支払い金額になります。
スターサービス(旧クジラモバイル) 収入の仕組み(報酬プラン)
スターサービス(旧クジラモバイル)の報酬プラン(仕組み)はユニレベルを採用し、以下の8つのボーナスがあります。
1.直接紹介報酬(クジラコミッション)
2.直接紹介報酬(リクルートコミッション)(1回のみ)
3.デイリーコミッション
4:リーダーシップコミッション
5:タイトルコミッション
6:10ACTコミッション
7:カーコミッション
8:ハウスコミッション
ペンギンモバイル・スターサービス(旧クジラモバイル)報酬プラン(仕組み)の注意点
格安SIMが商材に見える両社の報酬プラン(仕組み)ですが、その仕組みをしっかり見抜かなければなりません。
実際に支払われるは報酬の原資は、どこから生み出されているのでしょうか?
「格安SIM月額費用」からなのでしょうか、それとは別に支払うビジネス会員向けの「初期費用」および「毎月払いつづける月会費」からなのでしょうか。
そもそも格安SIMを「格安」で提供するためには、キャリアへの回線使用料もかかります。
会員にコミッションとして還元する余地はどれくらい残っているのでしょうか?
MLMとして成立させるためには、どうしても通常の回線使用料以外の原資を集める必要があるのかもしれません。
それが、初期費用および月会費となるのでしょうか。
しかし、当然ながら格安SIMを使用したいだけの人は初期費用も月会費も支払いませんから、壮大な権利収入のための原資は集まりません。
格安SIMを利用するだけの人を増やしても、微々たる収益にしかならないのではないでしょうか。
両社が謳っているような「権利収入」を手にすることができるのでしょうか。
では、ペンギンモバイルやスターサービス(旧クジラモバイル)で収益を上げるためにはどうすればいいのでしょうか。
答えは明解、あなたの傘下にビジネスとして登録し、初期費用と月会費を支払う会員を増やす、ということです。
ペンギンモバイル・スターサービス(旧クジラモバイル)の価値は?
docomo、au、softbankなど巨大キャリアーさらに多くの会社が続々と格安SIMを打ち出し、巨額を投じたテレビCMによりユーザーの大半を手中におさめます。
楽天モバイル1,760円 /月
UQモバイル2,178円/月
BIGLOBE1,760円/月
(2020年3月現在)
単に、「ビジネスをするための権利を買ってはみたものの、収益をあげることもなく、ビジネスのために月々の支払いをつづけるだけ」という事態から脱出するためには、多くのビジネス会員を獲得しなければなりません。
アムウェイ他歴としたMLMでは、提供する商品(サービス)の流通により得られた収益を会員に還元します。
SIMという商材は大きな産業であることは間違いありません。
SIM 利用ではなく、会員からの初期費用及びランニングコストからの収益を還元する仕組みのビジネスと巨大なSIM産業を同一視することが妥当なことなのでしょうか?
ビジネスとしてMLMに取り組むことは良いことでしょう。
そして、ビジネスメンバーを獲得できない人でも損害が発生しない健全・堅実なネットワークビジネス(MLM)(MLM)こそが、もっとも成功確率が高いビジネスなのです。
ペンギンモバイル・スターサービス(旧クジラモバイル)は破綻しないのか
MLMの原理原則をお伝えいたします。
愛用者に支えられない仕組みは崩壊する
MLMにとって、良い商品があり、それを単に好んで継続的に使用する「愛用者」は、ネットワークビジネス(MLM)においての絶対的根幹となります。
「愛用者の売上」という揺るぎのない原資があって初めてMLMの仕組みは大義を得て、権利収入という夢を支えるのです。
今回のペンギンモバイルやスターサービス(旧クジラモバイル)で言うところの愛用者とは、すなわち回線使用料を好んで支払い、ビジネスには参加しない利用者ということになるのでしょうか。
残念ながら、この利用者が純粋に支払う月額費用のみを原資とした報酬プラン(仕組み)が成立すれば、素晴らしい可能性に満ちた権利収入ビジネスになるやも知れません。
しかし、現実はどうなのでしょうか。
主な還元原資が、月額利用料ではなくビジネス会員が支払うビジネス継続費用だとするなら、その未来は?なのかもしれません。
愛用者と共存できないMLMはただのマネーゲームになって崩壊の末路をたどる、ということは過去の歴史を見ても火を見るよりも明らかです。
その商品やサービスを好んでいて、ビジネスと切り離しても継続的に愛用してくれるユーザー「愛用者」に支えられない仕組みは、すなわち利潤のみを追求するビジネス会員の連鎖を繰り返すだけのマネーゲームになります。
それでは愛用者に支えられないと、どうなるのでしょうか?
愛用者は、たとえ自分に収益がなくとも、商品を継続的に利用してくれますが、ビジネス会員は自身の収益がプラスにならなければ、当然のことながら近い将来必ず去ってしまいます。
ペンギンモバイルは初期費用で約5万円、月々8,660円がかかります。
スターサービス(旧クジラモバイル)は初期費用で初期費用で23,609円、月々13,349円かかります。
これを継続的に支払うビジネス会員がいなくなれば、収益は発生しませんし、経済的安定などは絵に描いた餅と同義です。
当然のことながら、永続的な権利収入に人は惹かれます。この両社も一見すれば、現代において誰もが使うインフラである携帯回線の利用料から得られる権利収入として思い込む人も多いことでしょう。
しかし、ビジネスとして成立させるための現実を見抜き、そのビジネスの健全性・将来性を判断されてはいかがでしょうか。
MLMが終焉を迎える理由はそう多くはありません。
第一に「被害者(または損害を被ったと訴える人が一定の割合を超える)という点が大きな理由のひとつとなります。
この点については、考察する必要すらありません。
コミッション原資が月々のビジネス会費(継続費用)で大半が賄われているビジネスモデルであるなら、収入が支出を上回る会員の割合が増えるということは物理的に不可能なのではないでしょうか。
支出のほうが収入より多いビジネス会員はどうするでしょうか?
これは当然、ビジネス会費(継続費用)を停止するということになります。当然のことながらビジネスとして成り立ちません。
第二に「サービスの継続提供が困難になる」という点です。
特に両社のようなインフラ系サービス、しかも携帯電話通信に関する事業であることから、他社との価格競争も含め、サポートや新たな通信技術への対応など、様々なコストが尋常ではない業界である点から言っても、ある一定の利用者が右肩上がりで維持できなければ、安定的なサービスの提供は維持することすら困難になるでしょう。
事実、現状でも結構な頻度で様々なサービス障害アナウンスされています。
これは携帯電話回線という性質上、致命的であり、ユーザーはそのような危ういサービスがつづくようなら、遅かれ早かれ見切りをつけてしまうことでしょう。
まだまだ挙げだせばキリがありませんが、この2点だけを見ても、携帯電話回線を商材としたMLMの不安定さについてご理解いただけることでしょう。
安定的、長期的成功を目指しましょう
MLMは、一般人でも努力すれば、夢の権利収入を得られる可能性がある、数少ないビジネスチャンスであることは疑いようがありません。
しかし、参加したすべての人が成功できるかというと、そうではありません。努力も必要ですが、運やタイミング、環境によっても左右される、成功への狭き門です。
しかもそれは、長期的にそのMLM会社が継続することが必要最低限の条件です。
長きにわたって継続するMLM会社とはどういう会社でしょうか。
愛用者が喜んで継続使用している素晴らしい商品があるかどうかです。
その愛用者を支える会社体制があるかどうかです。
格安SIMのMLMはどうでしょうか?
愛用者(利用者)は若干いるでしょう。しかしその愛用者を原資とする権利収入は僅かなものなのかもしれません。
ビジネス会員は自身の収支がプラスにならなければ、当然のことながら近い将来必ず去ってしまいます。
格安SIMは現在の4G回線からはるかに弱点を克服した5G回線が本格始動する2020年、どうなるのでしょうか。
公衆Wi-Fiスポット網が安定性、安全性を増し発達していく近い将来、どうなっていくのでしょうか?
テレビCM・サービス向上・値下げにより攻勢をかける大会社に対し、どのように戦っていくのでしょうか。
MLM会社として、一般流通に負けることなく、その実力をつけていくことに期待します。