誰でもわかる!少子高齢化問題と対策方法

Last Updated on 2023年12月16日 by admin

日本は世界にかつて例のない少子超高齢社会に突入しました。

少子化と高齢化という二つの事象が同時進行することにより負の相乗効果となり、現在から未来迄大きな影響を及ぼす大問題となりました。

何が原因でこのような状態になったのか、この問題を深く掘り下げ対策を検討しましょう。

 

 
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少子化とは

少子化とは親世代よりも子世代が少なくなり、総人口に占める子供人口の割合が少なくなることです。

このこと自身は人口減少に繋がり地球環境面においては良い結果として捉えられ、海外の一部の環境主義者から絶賛されたこともあります。

しかし日本の現状、未来を考える時大きな問題と言わざるを得ません。

以下のような様々な原因による出生数、出生率の減少が少子化をもたらしました。

 

少子化の原因

  • 社会の変化により固定観念が崩れ、生き方・結婚観・価値観が変化し晩婚化・晩産化が進み生涯未婚率の上昇へ
  • 近年女性の社会進出は目覚ましく、それに対する社会の対応が遅れ、育児と仕事の両立が困難なため晩婚化・晩産化へ
  • 家庭よりも仕事を優先する慣習、ワークライフバランスの悪い社会習慣により、特に女性は仕事か家庭かの選択を迫られた結果晩婚化、晩産化へ
  • 男女の役割分担の社会的風習で、夫から家事・育児協力が得られない為
  • 親からの自立、巣立ちができない。親の下での快適な生活からなかなか自立できず晩婚化、非婚化へ。いわゆる「独身貴族」
  • 経済的理由
    子育ての費用が増加した為。幼稚園から大学まで一人平均1400万円~2000万円と言われ、二人、三人は育てきれない。
  • 貧困問題
    上記はまだ恵まれた状況ですが、ワーキングプア子供の貧困や極貧家庭の増加が原因。非正規で生活保護よりも安い給料で働き、食べるだけで精一杯の人達は結婚はしたくとも出来ない状態で、子供などは夢のまた夢です。
  • 現在と将来の社会に対する不安感
    今の社会でも子供を育てる教育環境や社会資源に対して心配なのに、この先どうなるのか分からない不安感による。

以上 参照:人口問題審議会「少子化に関する基本的考え方について」

 

また、見落とすことができない理由として以下もあげられます。

  • 晩婚化してきたため、子どもをたくさん作ることが難しい。
  • 恋愛の価値観が低下した上、結婚や出産に興味が薄れてきた。

 

 

 

高齢化とは

総人口に対する65歳以上の高齢者人口の占める割合を高齢化率といいます。

WHOでは高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えると、高齢社会、21%を超えると「超高齢社会」と定義しています。

日本は1970年に高齢化社会に入り、1994年に高齢社会、2007年に超高齢社会に突入しました。

この先2060年には、高齢者1人に対して現役世代(15~64歳)1.3人というとてつもない超高齢社会の到来が予想されています。

以上 参照:内閣府「高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」より

 

高齢化の原因

  • 平均寿命が延びたこと
    医学の進歩と国民各自の健康意識が高まったことにより平均寿命が延び、老齢人口が増加しました。65歳以上の人口は1950年には5%も満たなかったのが1970年には7%を超え、1994年には14%、現在は26,7%を超えています。
  • 出生数、出生率の低下による人口減少
    出生数が減少したことにより総人口は長期の減少過程に入りました。2010年の1億2,806万人 から2030年の1億1,662万人を経て、2048(平成60)年には1億人を割り9,913万人、50年後の2060年には8,674万人になることが見込まれています。この人口減少と出生数の低下に反比例して高齢化率が高くなりました。
    高齢化と少子化は切っても切れない相関関係にあるのです。

以上参照:内閣府「高齢化の状況」より

 

また、以下の理由も注目されています。

  • 第2次世界大戦後のベビーブームに生まれた「団塊の世代」が高齢者となり、高齢化が加速した。
  • 景気の悪化などによる少子化が、結果的に高齢化を引き起こしてしまった。

 

 

少子高齢化とは・・・

少子化(子どもが少なくなっている)高齢化(お年寄りが増えている)ということが同時に起こっているためこのような呼ばれ方をしています。

日本はこの問題を先送りにしてきた結果、世界的に見ても類のない超高齢社会(全人口のうち高齢者が21%を超える)となってしまったのです。

 

少子高齢化の影響

経済面の影響

  • 子供が少なくなればその後若者が少なくなり、労働力人口の減少へと繋がります。これにより労働生産性が減少します。
  • 収入のない高齢者は貯蓄を取り崩して生活します。すると日本全体の貯蓄率が下がり、企業投資が抑制され労働生産性は低下します。
  • 税金の減収にともない、年金制度はもちろん生活保護制度もより厳しいものとなるでしょう。

これらの理由で経済成長率が低下する恐れが高まります。

 

国民生活水準への影響

高齢化が進むと社会保障費が膨らみ、現役世代の負担が増え、手取り所得が減少し、生活・消費の両面で、経済・社会の活力が阻害され沈滞した社会へと進行します。

 

社会面の影響

  • 高齢者が増えると介護等が現役世代の大きな負担となります。
  • 子どもが少なくなると、子どもの社会性や健やかな成長への影響が心配されます。
  • 人口の自然減により全国的に過疎化・高齢化が進み住民サービスにも影響を及ぼします。高齢者だけの活気のない町が国中に溢れます。
  • 高齢化が進むことで税金の減収となり、治安やサービスなど社会的環境の悪化を招く

 

 

プラスの影響も

上記のように概ねマイナスの影響が指摘されますが、短期間に限ればプラスの影響も少なくありません。

  • 人口減により環境負荷が低減
  • 大都市部での住宅、土地問題や交通混雑等が軽減しゆとりある生活環境となり
  • 一人当たりの社会資本も増加
  • 教育面では密度の濃い教育、受験戦争の緩和などが実現します。

以上参照:人口問題審議会「少子化に関する基本的考え方について」

 

個人への影響

景気の沈滞と社会保障費の増加で給料も手取り所得も減り生活は厳しくなります。

妻も働かなくては生活が成り立たないのに、両親と妻の両親の介護をしなければならず、両親の貯金を取り崩しながらの生活です。

 

その後いざ自分が年金をもらう歳になると、掛金が多かったにも関わらずほんのわずかで、働かざるを得ません。

働けるうちはまだよいのですが、病気になったら治療費は高く、保険料を払っているのに病院にも行けません。

貯金も底を着きました。生活保護を申請してもハードルが高くて受け付けられません。どうしたらいいのでしょうか?(これは最悪のシュミレーションです)

 

※ 生活保護を受けるための要件及び生活保護の内容

         出典:厚生労働省生活保護制度

 

保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提であり、また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

 

資産の活用とは
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください。 

 

能力の活用とは
働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。

 

あらゆるものの活用とは
年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。

 

扶養義務者の扶養とは
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。

そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。

 

支給される保護費

厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。

 

 

 

 

このようなことにならないために政府は様々な対策を推進しています。

少子化対策

先ず女性が安心して子供を産み育てられるように様々な少子化対策を進めています。

主な対策は下記の通りです。

  • 性別役割分業や職場優先の企業風土を是正
  • 仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備
  • 出産・子育てのために退職した者の再就職を支援等々です。

以上抜粋・参照:厚生労働省 人口問題審議会「少子化に関する基本的考え方について」

 

高齢化対策

わが国では「健康寿命の延伸」と「ITC活用による社会問題の解決」に重点を置いています。

健康寿命を延ばして社会参加することで高齢者自身と国の正常化・活性化を図ろうとするものです。

 

アクティブシニアの活躍

高齢者は身体機能・認知機能が年と共に衰えると言われていますが、言語能力や日常問題解決能力は経験や知識によってむしろ向上するという研究成果があります。

自立度に関しても2020年、2030年にも8割は元気な高齢者で、介護不要、自立して生活しているという予測データがあります。参照:総務省「ICT超高齢社会構想会議報告書」

現在も元気なうちは働きたいという高齢者は30%以上います(60歳以上)。

このアクティブシニアの知恵と経験を社会に活かせば、社会保険料軽減、介護負担軽減と労働力供給が同時に促進されます。

 

画一的な高齢者像を改める

高齢者と一口に言っても人それぞれ体力も能力も違います。働きたい人には働けるように定年制を改めます。

税制等も現役世代だけに頼らず国民全員が能力に応じて負担するようにします。

 

ICTとAI活用で問題解決

これらを様々な分野で活用し、高齢者だけではなく経済・社会の活力を引き出すエンジンにします。

高齢者自身の利用

年々高齢者のインターネット利用が増えています。更にSNSを活用して緊急時の対応、若者や地域との交流を図ること。

医療、介護、健康面での活用

慢性疾患の予防、介護ロボット、医療分析、社員の健康管理等幅広い分野で様々な活用。

自宅で見守りロボットによる健康管理がされるのもそう遠くない話です。

新しい就労システム

ICTの進歩によりクラウドソーシングやテレワーク(在宅勤務)、サテライトオフィス等時空にとらわれない働き方ができるようになり、高齢者だけでなく子育て退職や介護退職した人達も自分に合った働き方ができるようになります。

第4次産業を推進

ICT、ビックデータ、人工知能、ロボット等の技術を開発して新しいサービスを創出し、生産性を向上し、労働力不足に対応します。

 

国の全体的な方向性

「世界に先駆けて超高齢社会を迎えた我が国が、課題解決先進国として、その解決方策となるICTシステム・ サービスの日本モデルをいち早く確立し、新産業の創出とグローバル展開を実現」と締めくくっています。

以上参照:総務省「スマートICTの戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか」

第二章「ICTの活用による社会的課題の解決」 第三章「超高齢社会におけるICT活用の在り方」

まとめ(これで安心でしょうか?)

少子高齢化問題の解決策は、子供を沢山作ればいいのです!

でも、現実的にはそう簡単にいきませんよね?

では、国に頼りましょう!

国は将来を見据えて対策を講じてくれていますから。

明るい未来が見えてきました。しかし、「これで安心!」でしょうか?

様々なシステムを利用するにもお金は掛かるのです。ロボットもただでは動いてくれません。

 

年金は減額さらに先送りが今後も予想されます。生活保護受給要件および受給額も厳しくなる一方。

行きつく先はホームレスなのでしょうか?国は個人の事情には何もタッチしません。

我が国においては、「国や会社が護ってくれる時代」は終わっているのです。

「自分や家族を護ってくれるのは自分しかいない」このことに気づき、一刻も早く対策を講じるべきなのです。

 

その対策は、

  1.  自分の将来設計を見越した貯金をしておく
  2. 将来にむけてお金を生み出しつづける資産を構築する

この二択しかないのです。

あなたが安心できる未来はあなた自身にしか創り出せません。

良き未来はあなたの努力と共にあるのです!

 

「あなたの未来」と「初期費用を必要せずとも得られる権利収入」
について考えましょう。