職場の人間関係の悩み、マタハラと育ハラ、ケアハラ解消法

Last Updated on 2023年12月16日 by admin

人生の中で一番祝福されるはずの妊娠・出産時に、そのことが原因で職場でいじめや嫌がらせ、果ては職を追われたりするのは本当に辛く悲しいものです。

仕事と子育て、介護との両立を目指して昨年から更に法律は強化されましたが、現実は一向に改善されません。

ここでは妊娠や出産・介護などの理由で職場でハラスメントを受けて苦しんでいる方たちにその解消法をお示しします。

きっとお役に立つと信じています。

 

 
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マタハラとは

マタニティハラスメントのことで妊娠や出産を理由とする不利益取り扱いや嫌がらせのことを指します。

また育児休業・介護休業に関する不利益取り扱いや嫌がらせ(育ハラ・パタハラ・ケアハラ)も含めて一般的にマタハラと総称しています。

厚労省でもこれらのことを総括して考え、全ての不利益取り扱いは法(男女雇用機会均等法、育児介護休業法)によって禁止され、全ての嫌がらせには制度や措置によってなくすように取り決められています。

またこれらの不利益取り扱いは以前から事業主には禁止されていましたが、さらに昨年1月1日からハラスメントに関しても従業員同士もその様なことが起こらないように予防策を立てることが事業主に義務付けられました。

職場におけるハラスメント対策マニュアル(厚生労働省)

 

マタハラの2つのタイプ

企業側からの不利益取り扱い

妊娠や出産育児休業、介護休業等を理由とする不利益取り扱いは違法です!

例えば
妊娠を報告したら→解雇予告をされたり、「次回の契約更新はしない」と言われた。
→「我が社には産休、育休はない」と言われた

つわりや切迫流産で仕事を休んだら→「そんなに休むんだったら、パートになれ」と強要された

妊婦健診で休みを要求したら→「有給で賄って」と言われた

夫が育児休業を申し出たら→「減給する」と言われ諦めた
※育児や介護に関する制度は男性も同様に利用できます。

親の介護で休暇を取ったら→考えられない配置転換をされた

産休を申し出たら→「パートだからダメ」と言われた
※産休等はパートや派遣・契約社員等有期契約社員にも適用されます。
※育児休業や介護休業も適用される場合があります

上司や同僚からの嫌がらせ(ハラスメント)

厚労省の指針では以下の2つのタイプに分けられています

制度を利用することへの嫌がらせや、制度を利用させないこと

 男女雇用機会均等法による制度

  • 産前休業
  • 妊娠中及び出産後の健康管理措置
  • 軽易な業務への転換
  • 時間制限、作業制限など
  • 育児時間等

 育児介護休業法による制度

  • 育児休業、子の介護休暇
  • 介護休業、介護休暇
  • 所定外労働・時間外労働・深夜業の制限
  • 育児や介護のための労働時間短縮
  • 始業時刻変更等

これらの制度を利用するのを妨害する
 制度の利用で不利益取り扱いを示唆する言動
 制度を利用していることで嫌がらせ等

例えば
労働時間を短縮したら→
「早く帰れる人はいいわよね。そのせいで私たちは残業しなければならないのよ」と言われ続けて職場に居づらくなった。

親の介護休暇を申請したら→
上司から「休むのは自由だけど帰ってきたら君の席はないかも」と脅されて休暇を取れなかった。等

この様なことはすべてマタハラです。

状態への嫌がらせ

妊娠したこと、出産したこと
産休、育休を取得したこと
つわり等で能率が下がったこと等を理由として

不利益取り扱いを示唆する言動
 嫌がらせ等

例えば
妊娠を上司に報告していたら→
「うちは妊婦を雇う余裕はない」と言われ、止めざるを得ない
「休み休み働こうなんて図々しい」と言われ相手にされない

つわりで動作が緩慢になったら→
「そんなにノロノロしては仕事にならない。他の人にやってもらう」と言われ、仕事を与えてもらえない等

これらのことは全部マタハラです。

 

マタハラ解消法 

ではこの様なマタハラ被害を受けたらどうすればよいのでしょうか?

先ず全てを記録する

後日相談をするときにきちんと説明できるように、またトラブルになった時に証拠となるように全ての出来事を記録しておきましょう。

いつ、誰が、どこで、何を(どのように)したか、それによってあなたはどのように困っているかを時系列に書き記します。

会社の相談窓口に相談する

平成29年1月1日から事業主には以下のことが義務付けられています。

  • ハラスメントをなくすための方針を立てそれを社員に広める
  • 相談窓口を設ける
  • 相談があったたら迅速に対処し、その原因を究明し、二度と起こらないように予防策を立てる
  • 相談者、行為者、協力者のプライバシーを守り、不利益取り扱いをしないこと

ですので会社にはマタハラを解決する義務があるのです。一人で悩んでいないで相談しましょう。

労働局や労働組合に相談する

会社に相談しても何もしてくれない場合やそもそも会社に問題がある場合は外部の機関に相談しましょう。

労働局雇用環境・均等部に相談をすると、会社に対して法律や制度の説明をしてくれたり、会社に事実確認や働きかけをしてくれます。

また会社と紛争になっている場合は調停もしてくれます。全てタダでプライバシーは守られ、匿名も可能です。

お近くの労働局は、こちらよりご確認ください。
雇用環境・均等部室 所在地一覧

裁判に訴える

悪質な場合や被害が甚大な場合は、裁判に訴え損害賠償をすることもできます。

しかしこれは莫大な時間と労力を要しますので、特に妊娠中の方にはお勧めできません。

あなたの精神的な苦痛がお腹の赤ちゃんに大きな悪影響を及ぼす恐れがあるからです。

他の方も失敗しないように裁判に訴える前に弁護士に相談することをお薦めします。

 

マタハラをなくすために

働きながら安心して妊娠・出産・育児・介護ができるように様々な法律や制度で守られています。

しかし「制度だから利用するのは当たり前」という態度はマタハラを増長させます。

自分が周りの人たちに少なからず迷惑をかけていることを忘れず、感謝の気持ちを表しましょう。

 

日頃から職場の人間関係を良好に保つことがマタハラ防止の秘策です。

人間は関係の動物とも言われます。お互いを理解し思いやることこそ職場の人間関係を円滑にする源です。

これであなたの会社もハラスメント0になりますね!